輪状甲状軟骨接近術(ヤンヒー病院)
甲状軟骨と輪状軟骨の間を糸で引き寄せて声帯を緊張させ、声の高さを変える手術です。声帯を直接いじらないため、術後短期間であれば(声帯じん帯が伸びる前)元の状態に戻せる場合があります。
術式の図

特徴
- 首の傷痕の位置は、正面から見て若干目立つ位置になる。
- 発声禁止期間(1週間程度)を過ぎれば、一応発声できる。
- 声帯じん帯が伸びることを考慮してかなり強めに引っ張るため、術後の声は超裏声になる。落ち着いたレベルの声を出せるまでに長くて2〜3年かかるといわれる。
- 手術前に高い声の出し方が分からなかった人は、半ば強制的にボイトレしている状態になるため、将来的に声が元のレベルへ戻った後でもそれなりに高い声をキープできる可能性がある。
- ノンカム・フルタイムの方が受ける場合、術後の声の状態を周囲に説明しづらい可能性がある。
手術の流れ
- DAY 0 / 診察通訳と一緒にドクターの診察と術前カウンセリング。
- DAY 0 / 検査ファイバースコープで声帯を確認し、その状態で発声して写真を撮る。声のピッチ(Hz)を測定。
- DAY 0 / 録音地声で300〜500字程度の文章を読む(録音していると思われる)。
- DAY 0 / 手続き受付で手術の手続きをして費用を支払う。術前検査・レントゲン等。
- DAY 0 / 手術手術は1〜2時間程度。
- WEEK 1発声禁止1週間程度。この期間は咳もささやき声も絶対に禁止。
- WEEK 1 / 抜糸抜糸。術前と同じようにいろいろな検査をする。この後から発声可能(ただしかなりの裏声状態)。
- YEAR 2-32〜3年後には声がほぼ落ち着いてくる。
体験者の声
タンがからむ(術後1年位まで)。2年ほど経ったらほとんどなくなった。
声が高くなりすぎてしまう。
粉っぽい食べ物や柑橘系のホットドリンクでむせやすかった(術後1年位)。
術後しばらくは声のコントロールが全く利かず、ほぼ棒読み状態だった。
声域が狭くなるため初期は特に歌いづらい。抑揚が付けられるようになれば高い歌は問題なく歌える。
術後2年位で声も精神的にもかなり落ち着いた。最初は「え」が発音できないほど抑揚がつけられなかった。
手術のキズ
輪状軟骨の少し上付近、真正面に傷ができます。下は術後2年の方の写真です。キズの場所が分かりやすいよう照明で影をつけていますが、実際に目の前で見ると色・キズ跡ともにほぼ分からない程度に回復していました。


術後の発声練習
術後しばらくは抑揚のない高い声しか出せなくなります。手術でピンと張った声帯が徐々に伸びてくると、段々と低い方へ抑揚がつけられるようになります。抑揚がほとんどつけられないほどの高い裏声になるため、周囲から「聞き取りにくい」状態になりがちです。こういう時はなるべくゆっくり話すようにしてください。
高い声で話すことに最初は躊躇する方もいますが、この手術では強制的に高い声になるため、術後数年経っても「自分の高い声」に慣れているという利点はあるようです。